私は「木陰」をモチーフに制作しています。今作では、自分の心の奥底にある声に耳を傾けながら描き進めていきました。この制作を通して、普段何気無く過ごしていると聞き逃してしまう不安や悲しみなどの気持ちに気づくきっかけとなりました。青を基調とした色の重なりや柔らかい空気感などに注目して見ていただけると嬉しいです。
松本 佳子
MATSUMOTO Keiko
この作品のコンセプトは、「虚像」と「実像」です。本当は自身も綺麗で美しい色を持っているのに、自分に優れたものはないと思い込み、周りばかりを羨んでいるカラスの姿を描きました。羽の色や水面の移ろい、虚像と実像の色差といった部分に注意して制作しました。カラスの色は本当に黒でしかないのかということを、少しだけ考えながらご覧ください。
春日 充実
KASUGA Mitsumi
今回の作品では、愛犬がくつろぎ、こちらを見つめる姿を描きました。また、彼女に長生きしてほしいという願いを込め、生命力の象徴として木を背景に取り入れました。犬は人間と比べて寿命が短く、言葉を交わすことができません。しかし、私にとって彼女の存在は人と同じで、大切で愛しい家族の一人です。この感情を全ての方に理解していただくことは難しいですが、何か言いたげで、どこか人間らしさを内包した表情を描いたこの作品を見ていただくことで、より多くの人に共感していただければと思い制作しました。
明道 舞
MYODO Mai
昨年の中札内美術村企画公募展「はたちのりんかく」のリベンジを目指して自画像を描きました。日々少しずつ大人に成ってゆく感覚のなかで、これまで自分が大事にしてきたものが遠くなっていくことが寂しく、恐ろしいように思います。ふと後ろを振り返ったときに感じるものを描こうとしました。荒々しくも繊細な画面を楽しんで頂けたら幸いです。
松本 裕介
MATSUMOTO Yusuke
朝の光と憂鬱を表現しました。朝の美しい光に感動する一方で、1日の始まりのどこか憂鬱な気持ちをイメージしています。背景のマチエールに差をつけること、人物のポーズの美しさにこだわりました。人物の質感や存在感が生かされるように、背景が軽い印象になるようにマチエールを作っています。
松本 七海
MATSUMOTO Nanami